帰化植物

フク木農園は長年耕作放棄された棚田を使わせてもらっています。
初めて手を入れた時は、クズ、イタドリ、カラムシ、カラスウリなど
強い多年草が背丈を超えるほど生い茂る畑でした。

2m近くに伸びたイタドリに、その上を這いまわるクズやカラスウリ。
その様子は小さな森のようでした。
手を入れて、野菜を育てるようになり3年経った今は、
畑の草の様子も変わってきました。
毎年、草の様相は違います。

昨年の夏からは「コセンダングサ」がギッシリと繁茂しました。
野菜が負けないように刈るのですが、刈っても刈っても脇芽を伸ばし、
秋にはたくさんの花と種をつけました。
とても逞しい草です。

この逞しい「コセンダングサ」は帰化植物です。
帰化植物というのは何らかの原因で外国から持ち込まれ、
日本に「帰化」した植物のことを指します。
この強さゆえに、日本中の至る所で「コセンダングサ」は生きて拡がっています。

私がクズやイタドリを刈り取って勢いを抑えることで、
飛んできた「コセンダングサ」が生きる隙間を見つけて拡がったのだと思います。

熱力学において「エントロピー」という概念があります。
正確な定義はここでは省きますが、大雑把に言って「乱雑さ」を示す概念です。
自然科学において「エントロピーは増大する」という法則があります。
つまり「自然は乱雑さを増大する方向に動く」と言えます。
部屋が散らかるのもエントロピーの増大です(乱暴な説明ですが、、、)。
「コセンダングサ」が生息域を拡げるのも自然現象と言えます。





写真中央の紫色の葉物は「からしな」です。
周りに見える黄色い花が「コセンダングサ」です。
意図したもの、意図しなかったもの、の違いはありますが、
どちらも人が関与した植物です。

野菜を育てること、帰化植物が拡がること、
どちらも人の手によるもので自然ではない、と考えることもできますが、
野菜や草達が人を利用して拡がった自然現象かもしれません。
そう考えた時、人が自然の中に入ったように思えます。

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